映画「グラン・ブルー」感想

映画「グラン・ブルー」は、1988年に公開されたフランス・イタリア合作のアドベンチャー映画である。監督はリュック・ベッソン、主演はジャン・レノとジャン=マルク・バール。

ギリシャの海岸で出会ったフランス人の少年ジャックとイタリア人の少年エンゾは、素潜りで競い合ううちに親友となる。しかし、12年後、再会した二人は、海への愛とダイビングへの情熱を共有しながらも、それぞれの道を歩んでいく。

本作は、海の美しさとダイビングのスリルを描いた作品として、世界中で高い評価を得た。また、ジャン・レノとジャン=マルク・バールの共演も話題となり、二人の代表作の一つとなった。

以下に、筆者が本作を鑑賞して感じたことを述べていきたい。

海の美しさとダイビングのスリル

本作の最大の魅力は、海の美しさとダイビングのスリルを描いた映像美である。

ギリシャの青く澄んだ海、シチリア雄大な海岸線、そして、その海に潜む色とりどりの魚たち。本作は、そんな海の美しさを余すところなく映し出している。

また、ダイビングのスリルも、本作の見どころの一つである。ジャックとエンゾは、フリーダイビングやスノーケリング、そして、深海潜水など、さまざまなダイビングを披露する。彼らのダイビングシーンは、息を呑むような迫力と美しさを兼ね備えている。

ジャックとエンゾの友情と葛藤

本作のもう一つの魅力は、ジャックとエンゾの友情と葛藤である。

二人は、幼い頃から海を愛し、ダイビングに情熱を注いできた。しかし、彼らは、海に対する考え方や生き方において、次第に違いを見せるようになる。

ジャックは、海を自分のすべてとし、海の深淵を目指す。一方、エンゾは、海を楽しみ、海と共に生きる道を選ぶ。

二人の友情は、海への愛によって結ばれている。しかし、彼らの海に対する考え方の違いは、二人の友情を次第に試していく。

海と人間の関係

本作は、海と人間の関係を問いかける作品でもある。

ジャックとエンゾは、海を自分の一部と捉え、海と一体化するようなダイビングをする。彼らは、海に魅入られ、海に支配されているような存在である。

一方、ジャックの恋人であるアンヌは、海を畏怖し、海に敬意を払う存在である。彼女は、海を人間の脅威と捉え、海と距離を置く。

本作は、海と人間の関係を、さまざまな視点から描き出すことで、観客に考えさせる余地を与えている。

結末の意味

本作の結末は、賛否両論を呼ぶものである。

ジャックは、海の深淵を目指して、エンゾとの勝負に挑む。そして、ジャックは、エンゾを打ち破り、海の深淵に到達する。しかし、その直後、ジャックは海に飲み込まれてしまう。

この結末は、ジャックの海への愛と執念を象徴するものであると言える。しかし、同時に、海の脅威と人間の無力さをも示しているようにも思える。

本作の結末は、観客の解釈によって、さまざまな意味を持つものとなるだろう。

まとめ

映画「グラン・ブルー」は、海の美しさとダイビングのスリル、そして、ジャックとエンゾの友情と葛藤を描いた、リュック・ベッソン監督の代表作である。

本作は、海と人間の関係を問いかける、奥深い作品でもある。

筆者は、本作を鑑賞して、海の美しさとダイビングのスリルを改めて感じることができた。また、ジャックとエンゾの友情と葛藤を、さまざまな視点から考えることができた。

本作は、海やダイビングに興味がある人はもちろん、そうでない人にも、ぜひ一度鑑賞してもらいたい作品である。